まず、この「給食で死ぬ!!」というタイトルが少々誤解を招きますが、
給食を食べて死んでしまう、というお話ではありません。
たぶんタイトルは編集者に強引に「コレで!」と、押し切られたのかな?
表紙に書いてる通りのお話です。
「いじめ、非行、暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった
長野、真田町の奇跡!!」
少し、簡単にこの本の内容を紹介します。
まず、いじめ、非公、暴力が蔓延する中学に赴任した筆者の大塚貢先生が
学校改革にのりだします。まずは、授業の改善。そして花壇づくり。
学校は徐々に改善していきますが、依然としていじめも不登校もなくなりません。
そして食事に注目します。くわしい調査で、朝食を食べてこない生徒が
多いことがわかってきました。
そこでPTAの会合を開き、食生活の重要性などについて説明会などを
開きましたが、若いお母さん達はあまり聞く耳を持たない様子だったそうです。
特に非行をおこしている子供の親ほど、理解してくれなかったそうです。
「家庭で難しいなら、学校で食を変えるしかない」という事で、
大塚先生は給食改革に乗り出します。
欧米化し、添加物だらけの給食を、地元の農家と契約して食材を調達。
日本の伝統食である、米と野菜と魚を中心とした献立にしていきました。
すると、生徒達がみるみる変わり始め、非行だらけだった学校はいつしか
優秀校へと変貌していく・・・というお話です。
もちろんフィクションではありません。実話です。
「授業改革」「花作り」「給食の改善」という3本柱を実行することによって
、生徒たちは大きく変わっていったそうです。
非行が消え、不登校の生徒がいなくなった・・・すごいですね!
2012年3月までの10年間、警察でも「万引きも含めて非行ゼロ」
だそうです。
この本にこう書かれています。
『「非行ゼロ」ということは、やって良いこと、悪いことの判断力が
身についてるということです。心も落ち着いていて、学ぶ意欲も高まって
います。』
『これは「3つの柱」を実行している生徒たちの、「善悪の判断力」が
非常に高くなっているからだといえましょう。前頭葉や側頭葉の機能が
正常に機能して、人間らしい、本来の発達の仕方をしている証拠だと、
私は考えています。』
もちろん、食べ物だけの話ではないんですが、やはり「正常な脳機能」
が心の問題とリンクしていると考えられますよね?
この本には、こうも書いています。
『真田町ではその後、少年犯罪は激減し、大人の犯罪もかなり減少
しました。成人の犯罪件数が、平成13,14年頃のピーク時で140件
以上あったものが、近頃は半分くらいになっています。』
『その原因を考えると、第一には、子供のころにしっかり自己抑制が
できると、大人になってからも犯罪を起こしません。』
『もう一つが、学校で親子を対象とした「食のフォーラム」などを
開催し、その積み重ねによって食に関する親の認識が変わった
ということでしょう。』
やはり、食べ物と脳(心)は繋がっている、のでしょう。
我々は、この大事な部分を軽く考えすぎてるような気がします。
心の問題を食事と切り離して考えるから、なんとなく解決もしないし
改善もされていかないような気がして、仕方ありません。
そのほかにも、学校給食をかえたら、アトピーの子供が極めて少なく
なったそうです。
ある女子生徒が東京から転校してきて、4,5ヶ月過ごしたらアトピー
性皮膚炎がきれいに治ってしまったそうです。
でもまた都会に転向して行ったら、残念なことにアトピーが復活して
しまったそうです・・・体質云々の前に日々の食べ物が重要だという
ことなのでしょう。
このように実際この日本で、長野県の真田町であった話です。
食べ物を変えれば、その人の気質まで変わるのではないか、
性格まで変わるのではないか・・・と、ワタシは考えています。
《正常な脳機能は、安定した心をもたらしてくれる。》
・・・少しは信憑性が出てきたのではないかと、思います。
まだまだ、この手の話を紹介していきたいと思っています。