何故、我々人間は自然の一部なのか・・・と言うことを
確認しなくてはならないのでしょう?。
「好きなものしか食べない」とか「体に悪いものほど美味しい」
とか・・・このような台詞をよく耳にします。
でもそのような物ばかり食べたら、体に悪い、長生きは出来ない
ことも薄々は分かっていながらの発言ですね。
ここで言う「好きなもの」「体に悪いもの」とは、例えば油脂たっぷりの
肉であったり、ジャンクフードやファストフードですよね。
過剰に味付けが濃いかったり、甘すぎたりしている食べ物達です。
しかもそれを作る作業工程で、大量の化学物質をぶち込み、
色合い、保存性などを人為的に調節した工業食品達です。
自然な物からどんどんかけ離れていったモンスター食品が
「体に悪いものほど美味しい」なんて称えられているんです。
・・・どうもこの風潮が納得いかない。
でもいくら強がってみても、本能的に「このままではヤバイんだろうな」
とは、薄々感じてはいるのでしょう。
やはりそれは体調もすぐれない、という現実もあろうかと思うのですが
非自然なものを体に入れ続けるのは、危険である・・・と、本能が
囁くんだと思うんです。
だからこそ、我々人間は自然の一部である。って所からスタート
しないと「いちばん大事なこと」を、見失うのではないかと思います。
この「いちばん大事なこと」というのは本のタイトルです。
「バカの壁」でおなじみの養老孟司先生の本です。
サブタイトルが、養老教授の環境論となってます。
この本の中から「人間は自然の一部なのか?」という話を賢い人が
どのように考えているのかを・・・少し探っていこうと思います。
以下、本に書かれている内容を少し抜粋したいと思います。
『身体が自然だと言う説明をしよう。われわれの身体は実は
生態系である。なにしろ一億以上の生物が住み着いていると
言われるからである。』
『私たちの身体は7割近く水でできている。
去年身体に入っていった水で、今年の今日まで残っているのは
何割あるか。ほとんど残っていない。この一年で自分が何トンの
水を飲んだか、よく考えてみればいいのである。
身体は川と同じである。川はいつでもそこにあるが、水はたえず
入れ替わっている。』
『自分を川だという実感で暮らす人が、世界にどれだけいるだろうか。
自分は生態系だと思っている人が、どれだけいるだろうか。』
『ふつう自然というとき、それは人体でない、外の自然を指している。
しかし、それは身体を考慮からはずしていい、ということではない。
内なる自然もまた、立派な自然である。その意味でこそ「人間は
自然」なのである。』
・・・賢い先生が語ると説得力が違いますね。
我々は、生態系の一部であり、自然の一部である・・・と認め
相互にその影響を受ける関係である、のでしょう。
環境問題について書いてる本なのですが、「食の安全が損なわれた
理由」という項目で書かれていることがあるので、抜粋してみます。
『ある奥さんの話で、ご主人がスーパーマーッケットで小松菜を
買ってきて、飼っていたバッタに食べさせたら、皆死んでしまった
という。奥さんは「人間は丈夫なんですね」と笑った。』
『小松菜が虫に食われるのは、税金みたいなものだと思う。
税金を払っているから安心して食べられる。税金を払うのが
いやだと、農薬を使ったために、もっと請求額の多い(病気などの)ツケが
まわってくる。』
『人間の欲望にはきりがない。虫にくわれていない、きれいな野菜が
たべたい。すぐに食べられる調理済みの食品が欲しい。少しでも風味の
良いものを食べたい。日持ちがいいと助かる。
おかげで農薬漬けの野菜とか、保存料や人口の調味料がふんだんに
添加された加工食品が出回る。なんのことはない。見た目がきれい
なうえに、便利な食品を手に入れた代わりに税金よりより高い
(病気などの)ツケに苦しんでいるのである。』
・・・そして最後にこの含蓄のあるお言葉で〆たいと思います。
『人間のつくり出した技術は強力だと言う。たしかに人間自体を
簡単に殺すと言う意味では、素手に比べてピストルは強力である。
しかしピストルの単純さと、人間の複雑さを比較してみればいい。
人間に比較したら、ピストルなんて、それこそバカみたいなものに
すぎない。月までロケットが飛んだ。そんなことを言って、人間は
威張ってみるが、飛ぶだけならハエや蚊だって飛ぶ。それならハエや
蚊が作れるか。そもそも人間はロケットの仲間か、ハエや蚊の仲間か。』
次回は食べ物に絡めて『我々人間は自然の一部なのか?』
について考えてみたいと思います。