つい最近見た記事です。生の海苔を消化できるのは
日本人だけだそうです。その遺伝子は日本人の腸にみられる
細菌の中にしか存在しないそうです。(焼き海苔は日本人以外
でも消化できるそうです。)
これは昔から長年海藻類を食べてきた民族だからそれらの
栄養素を取り入れる為に備わった遺伝子であろう、との見解でした。
でも乳児や寒冷地に定住した民族を除く日本人の腸には、
牛乳のカルシウムを吸収する為に必要なラクターゼという酵素が
少ないことがわかっています。
どんなに牛乳を飲んでも、カルシウムは分解・吸収されにくいのです。
これは牛乳を昔から飲む習慣がほとんど無かったから、
その遺伝子は我々日本人には備わらなかったのでしょう。
このような事例をみてみると、やはり我々はその土地土地の
自然に身体も遺伝子もおおきく影響を受けていることが分かります。
「身土不二(しんどふじ)」と言う言葉があります。
「身土不二(しんどふじ)」とは身体と土とは一つであるという意味です。
人間が足で歩ける身近なところ〈四里四方(16km四方)〉でとれる
旬のものを食べて生活するのがよいとする考え方です。
生物とその生息している土地、環境とは切っても切れない関係にあるという
意味です・・・「地産地消」とか「地域自給」なども考え方は同じですね。
「四里四方に病なし」と言うことわざもあります。
自分の身の回りで取れる食材を食べていれば、病気知らずで
健康でいられると言う意味なんです。
科学的ではない話ですし、栄養学の観点でみてみれば馬鹿げた
お話なんでしょうね。
でも人間も自然の一部なら、その土地の地場に影響を受けていると
考えるのが当然だし、しかも四里四方(16km四方)で採れた野菜と
遠方から持ってきた野菜では、栄養素だけでみれば同じでも
我々の身体に及ぼす影響は、同じではない・・・と、非科学的、
非学問的にワタシは秘かに信じています。
科学、学問がすべて正しいく、我々人類は全知全能だなんて、
思い上がりもはなはだしい!!!!!!!
・・・・と、ラーメン屋のオヤジが叫んでいたら、いよいよアイツ、
気がふれたか・・・と、思われてしまいますね。
まあオカルトな話ではなく、本当にそんなことはあると思うんです。
グローバルな時代ですから、日本国内で流通しているものなら
いざしらず、外国から長い船旅でポストハーベストと一緒にやってくる
野菜と、国産の野菜を同じテーブルに乗っけて、
「栄養学の見地からみて、栄養分は同じだ。これが科学的な
考え方である」と、言われましてもね~~~~~。
やはり「人間は自然の一部である」と考えているワタシは、
「身土不二」的な感覚のほうがしっくり来ます。
もう少しこの話は続きます。
我々人間は自然の一部である・・・のは間違いないのでしょう。
自然の実りを頂いて太古から命を繋いできたのですから。
これを食べたらあれに利く・・・みたいな話はよく聞きますし、
この栄養素があれにイイみたいな話も良く聞きますね。
近頃この食べ物は身体を冷やすだとか、あの食べ物は
身体を温めるとかの特集も組まれるようにもなりましたが、
まだまだ一般的に知られている程ではないように思います。
「食べ物の陰陽」なんて言い方もしますね。
まあ難しい話ではなく、暑い地域で採れた物の性質として
身体を冷やす傾向があり、寒い地域でで採れた物の性質として
身体を温める傾向にある・・・と言う話です。
例えば砂糖の原材料のさとうきびは、暑い地域の作物なので
身体を冷やします。
あとコショウなどのスパイス類なども同じ陰性で身体を冷やします。
だから夏にカレーなんですね。
陽性の食べ物は寒い地域で食べられるもの、肉類やチーズなど
です。あと自然塩、味噌、醤油なども身体を温めます。
まんまる堂でも寒くなると、やたらと「みそまる」が出ます。
身体が自然に求めるのでしょうね。
そうそう!焼肉などたっぷり肉を喰らうと締めで、アイスクリーム
食べたくなりませんかせんか?
まさに極陽性の物をたくさん食べたので、極陰性のアイスクリームが
欲しくなる・・・自然にバランスをとろうとしているんですね、身体が。
でも極端から極端に大きく振れると、身体のバランスが崩れる
ので、病気になる・・・らしいですよ。
なんか小難しい話のように感じるかもしれませんが、
このように考えると話は簡単です。
四季のある温帯に住む我々は、その季節季節に出回っている
物を食べれば間違いないのです。
これを食べれば身体に良くないとか、この栄養素が入っているか?
とか、やれポリフェノールとかリコピンだとか・・・考えなくていいんです。
だって、われわれの身体は自然と同じなんですから。
その時々の自然の恵みを頂いておけば、間違いないはずです。
そうやって長い長い時間をかけて身体を維持し、遺伝子とともに
継承して今日に至ているのです。
それがワタシの考える「食べ物と我々の身体と自然の関係」です。
我々がロケットの仲間でなく、ハエや蚊の仲間である証です。
トマトばかり例にとって申し訳ないのですが・・・大好きなんですが・・・。
夏野菜です。水分も多く、身体を冷やします。
それをダイエット効果がある?リコピン?ポリフェノールがあるから
美容にもイイ?てな宣伝に騙され、真冬にハウスで石油をたくさん
使わないと育てられず、とうぜん農薬まみれで、栄養も夏に出回る
トマトの半分しかないものを、健康、美容のために食べるというのは
いかがなものかと・・・自然の摂理に逆らっているのではないかと、
心配してしまいます。
もう少しこの話題を・・・次回に。
何故、我々人間は自然の一部なのか・・・と言うことを
確認しなくてはならないのでしょう?。
「好きなものしか食べない」とか「体に悪いものほど美味しい」
とか・・・このような台詞をよく耳にします。
でもそのような物ばかり食べたら、体に悪い、長生きは出来ない
ことも薄々は分かっていながらの発言ですね。
ここで言う「好きなもの」「体に悪いもの」とは、例えば油脂たっぷりの
肉であったり、ジャンクフードやファストフードですよね。
過剰に味付けが濃いかったり、甘すぎたりしている食べ物達です。
しかもそれを作る作業工程で、大量の化学物質をぶち込み、
色合い、保存性などを人為的に調節した工業食品達です。
自然な物からどんどんかけ離れていったモンスター食品が
「体に悪いものほど美味しい」なんて称えられているんです。
・・・どうもこの風潮が納得いかない。
でもいくら強がってみても、本能的に「このままではヤバイんだろうな」
とは、薄々感じてはいるのでしょう。
やはりそれは体調もすぐれない、という現実もあろうかと思うのですが
非自然なものを体に入れ続けるのは、危険である・・・と、本能が
囁くんだと思うんです。
だからこそ、我々人間は自然の一部である。って所からスタート
しないと「いちばん大事なこと」を、見失うのではないかと思います。
この「いちばん大事なこと」というのは本のタイトルです。
「バカの壁」でおなじみの養老孟司先生の本です。
サブタイトルが、養老教授の環境論となってます。
この本の中から「人間は自然の一部なのか?」という話を賢い人が
どのように考えているのかを・・・少し探っていこうと思います。
以下、本に書かれている内容を少し抜粋したいと思います。
『身体が自然だと言う説明をしよう。われわれの身体は実は
生態系である。なにしろ一億以上の生物が住み着いていると
言われるからである。』
『私たちの身体は7割近く水でできている。
去年身体に入っていった水で、今年の今日まで残っているのは
何割あるか。ほとんど残っていない。この一年で自分が何トンの
水を飲んだか、よく考えてみればいいのである。
身体は川と同じである。川はいつでもそこにあるが、水はたえず
入れ替わっている。』
『自分を川だという実感で暮らす人が、世界にどれだけいるだろうか。
自分は生態系だと思っている人が、どれだけいるだろうか。』
『ふつう自然というとき、それは人体でない、外の自然を指している。
しかし、それは身体を考慮からはずしていい、ということではない。
内なる自然もまた、立派な自然である。その意味でこそ「人間は
自然」なのである。』
・・・賢い先生が語ると説得力が違いますね。
我々は、生態系の一部であり、自然の一部である・・・と認め
相互にその影響を受ける関係である、のでしょう。
環境問題について書いてる本なのですが、「食の安全が損なわれた
理由」という項目で書かれていることがあるので、抜粋してみます。
『ある奥さんの話で、ご主人がスーパーマーッケットで小松菜を
買ってきて、飼っていたバッタに食べさせたら、皆死んでしまった
という。奥さんは「人間は丈夫なんですね」と笑った。』
『小松菜が虫に食われるのは、税金みたいなものだと思う。
税金を払っているから安心して食べられる。税金を払うのが
いやだと、農薬を使ったために、もっと請求額の多い(病気などの)ツケが
まわってくる。』
『人間の欲望にはきりがない。虫にくわれていない、きれいな野菜が
たべたい。すぐに食べられる調理済みの食品が欲しい。少しでも風味の
良いものを食べたい。日持ちがいいと助かる。
おかげで農薬漬けの野菜とか、保存料や人口の調味料がふんだんに
添加された加工食品が出回る。なんのことはない。見た目がきれい
なうえに、便利な食品を手に入れた代わりに税金よりより高い
(病気などの)ツケに苦しんでいるのである。』
・・・そして最後にこの含蓄のあるお言葉で〆たいと思います。
『人間のつくり出した技術は強力だと言う。たしかに人間自体を
簡単に殺すと言う意味では、素手に比べてピストルは強力である。
しかしピストルの単純さと、人間の複雑さを比較してみればいい。
人間に比較したら、ピストルなんて、それこそバカみたいなものに
すぎない。月までロケットが飛んだ。そんなことを言って、人間は
威張ってみるが、飛ぶだけならハエや蚊だって飛ぶ。それならハエや
蚊が作れるか。そもそも人間はロケットの仲間か、ハエや蚊の仲間か。』
次回は食べ物に絡めて『我々人間は自然の一部なのか?』
について考えてみたいと思います。