さて、前回に続き子供たちの苦手な食べ物のお話。
これまた残念なお話です。
ある日うちの奥さんが、遅くまで働いてて、晩御飯を作る時間が無い!
なので仕方なく、スーパーのお惣菜でミンチカツを買って、家に帰ったのでした。
そのミンチカツを、何事も無かったようにさりげなく普通に、食卓に出しました。
同じように時間が無くて、ご飯にふりかけと少量のおかずだけの時でも、
「かーちゃんのご飯はおいしいね!」
と、文句も言わず、普通に食事を平らげる子供たちが、
「かーちゃん、これ全部は食べれないな。残してもいい?」
と上の息子。すると割と俗っぽい味覚の、下の息子までも、
「オレも、これは全部は無理!」
と言って、残す有様。(ええーーー。マジーーーー。)
普段なら、「残さずに全部食べなさい!」と言う場面なのですが、
なんせほら、事情は事情として、結果手抜きの極めつけ、スーパーのお惣菜。
そんなものを、シレっとした顔で出してる後ろめたさから、
「ん~。じゃあ残しても良いよ。」と言って、後で残り全部、自分で食べたと言うお話。
その話を聞いて自分が子供の頃は、更にそれにケチャップやマヨネーズや
ウスターソースを、たっぷりミンチカツにかけて大満足で食べてたぞ。
やっぱり、その辺違ってくるもんやな、と思いました。
よくよく聞けば、既製品だから食べれないのではなくて、
パン粉を付けた揚げ物が苦手なようです。あと天ぷらも苦手。
から揚げは食べれるし、大好きなんですよ。
やはり違いは、食べ物に含まれる油の保有量の違いなんでしょうね。
上の息子はマヨネーズも苦手です。ちなみにケチャップも好みません。
好みの調味料は、「ポン酢」・・・・・・・・・。渋いね!
あと、食卓に牛肉が出ることが、滅多に無い家です。
せっかく買うなら、ちゃんとした生産者の物を買いたいですが、
貧乏なので、やはりなかなか買えない・・・・。
そんな貧困家庭に義母が、和牛レストランの金券をプレゼントしてくれました。
これ幸いと、子供たちにも、牛肉をたらふく食べさせてあげれるいい機会だと思い、
ランチ時に嬉々として出かけて行きました。
我々大人は若い頃、焼肉は大好きでよく食べに行ってました。
特にタン塩、シマチョウ(ホルモン)の部位が好きで、食べ歩いてたぐらいです。
しかし久々に食べる焼肉、しかも真昼間、セットしかなくカルビなどの部位が中心。
食べ進んでいくうちに、「ビールも飲まずに焼肉は、結構キツイなー。」
という状況に陥ってきたので、焼けてるカルビをさりげなく上の息子の皿に
置いた瞬間、「エ!」という顔でこっちを見て、「いや、もういらない。」と。
「えーなんで!君ら憧れの牛肉やで!しかもそんなに食べてないぞ。」
と言うと、「そっちの赤い方(もも肉)は美味しいけど、これは(カルビ)は
もういいや。気持ち悪くなる。」ですって。
これはマズイと思い下の息子に、「これ(カルビ)食べるやろ?」
と振ってみると、「いや、もう肉いらないし!」と言って、この提案を
まさかの拒否!
いやー、マジですか!この残りの肉、ビールも飲めずに、大人たちで
平らげなくてはいけないんですか!
普通もっと食べたいとか言って、困らせるんと違うの!子供は。
と思いながら、すっかり量を食べれなくなってしまった大人達で完食。
そうやって考えると、『脂っこいもの、甘すぎるもの、味付けの濃いもの。』
て、先天的に好むものではなく、後天的な嗜好じゃないかな、と。
その嗜好に仕立ててしまうのは、やはり日常の食事だと考えるのが妥当であると。
でも、一度壊れてしまった味覚を取り戻すのも、そんなに困難ではないんじゃないかと、
過去の自分と現在の自分を比較して、そう思います。
もっと身体も大きくなり、外に世界が広がっていけば、それは色んなものを
食べるようになるでしょう。今は苦手な焼肉も、フライ物も、生クリームも。
でも子供の頃に培った繊細な味覚が、行き過ぎを制御してくれると思うんですよね。
それが我々親が、子供に残してあげられる、財産のひとつかな、と。
健康な肉体を維持する為の、健全な免疫力。
その道筋を間違わない、正しい味覚を財産に・・・・。
ま、貧乏なので本当の財産は、残してあげれないんですけどね。エヘへ・・。