『~を麺に練りこんだ』シリーズのお話です。
モロヘイヤ、ホウレン草、小松菜、かぼちゃ、人参、とうもろこし、さつまいも、
等の野菜や、各種スパイス、バジルなどの香味野菜、ライ麦や雑穀等々・・・。
色々とチャレンジしてきました。
これもやはり根底にあるお店の基本理念・・・『少しでも身体の役に立つものを・・・』
提供するお店で有りたい、との思いから始めました。
最初はカレーだったか、モロヘイヤだったか・・・。
カレーといってもその当時流行の、秋ウコンを使ってました。
モロヘイヤは言わずもがな・・・夏に必要な栄養の塊ですもんね。
麺にも小麦以外の栄養を入れてしまえ!・・・的な。
他のラーメン店とのコンセプトの違いを、明確にするためでもありました。
そして考える事を止めない・・・既成の考えに縛られない自由な発想を続ける・・・
為にも、麺・・・中華麺だからといって『バカの壁』を建てないで、可能性を模索する・・・
・・・なーンテ!カッコつけてしまいました。
でもラーメンの世界はそれが許されているんですよ。
その自由さ加減がこの業界に参入した、大きな理由です。
自分達で商売をやるんです。人が歩いていった道と同じ道を歩くなんて・・・ツマラナイ。
限定メニューは顕著にその路線で突き進みたいですな・・・まんまる堂にしかない・・・。
あと、色合いも大事な要素になって来ます。やはり見た目・・・。
見た目で彩りのインパクトがあれば、その料理の世界に入りやすいですもんね。
季節感と言いましょうか・・・四季折々の彩り、とでも言いましょうか・・・。
今だったら『冷しつけ麺』。
モロヘイヤに始まって今は真菜・・・要するに緑がかった彩りですね。
見た目だけで清涼感のでる感じ・・・そのメニューの世界に入りやすい。
同じ夏だからと言って今『ごま冷し』で使ってるとうもろこしの麺の黄色では、
『冷しつけ麺』の納涼感が出ないんじゃないかと・・・思いますが・・・。
ただ・・・今回の真菜の麺・・・モロヘイヤ、ホウレン草、小松菜などと同じ野菜の仲間
なのですが、色・・・緑色の色抜けが早い・・・というかすぐ透明感が出てくる、
と言いましょうか・・・ん~やはり同じ野菜の仲間と言ってもこの違い・・・奥が深い。
奥が深い・・・と言えば色々練りこんでいきましたが、このように何らかの変化を
もたらす場合もあります。
たとえば、さつまいもの麺をやったときには、もちもち感が増しました。
たぶん、さつまいものデンプンの作用だと推測されるのですが・・・
そのような発見もまた勉強になり、次に繋がりますね。
最後に実際にあったお話を・・・。
冬場、『ほかほかつけ麺』でホウレン草の練りこみ麺を出してました。
温かい和ダシの出汁に、そのホウレン草の麺を泳がしている形です。
年配のご婦人がお一人でいらっしゃって、お召し上がり頂きました。
お帰りの際、レジでワタクシにこうおっしゃいました。
「温かいおつゆに、ほんのり麺からホウレン草のお味が溶け出して
・・・とても美味しかったです。」と・・・。
いやービックリしました!!!・・・すごいな、と。
そんなお味感じた事ないなー、と。作り手なのに・・・(恥)
いやいやこの味覚レベルのお客さんも店に来てもらってるんだ。
己の低レベルの味覚はさて置いても、気を引き締めないと!
このようなお客さんにも喜んでもらえるように、精進しないと・・・。
と、とても身が引き締まる思いをしたことが、忘れられません。
長々と麺シリーズを続けてきました。
ここらで一旦終了でございます。ご清聴ありがとうございました。