最後の最後の味決めの精度が、難しいというお話です。
どんな料理でもそうですが、やはり味を決める、要するに塩梅ですね。
それが一番難しいのではないでしょうか。
塩味をピタっと決めるのは、本当に難しい。
その為に料理人は、日々の精進し、己の技術を磨くんだと思うんですよ。
『美味しんぼ』にも、お湯に塩だけで、お吸い物を作る話がありました。
お湯の量を見て、計量スプーンなど使わずに、指先の感覚だけで、
塩味をピタっと決める。これぞプロですね。
そしてこの化学調味料(酵母エキスや、たんぱく加水分解物も含む)って奴は、
この微妙な塩加減の絶妙なポイントを、曖昧にボンヤリさしてしまうんです。
だから、適当に味付けしても、なんとなく味が決まってしまう(ように感じさせる)。
だからプロの日々の精進し、己の技術を磨き身に着けた、微妙な塩加減など
必要ないんです。これも別の意味で、さじ加減ですよね。
特に化学調味料(グルタミン酸ナトリュウム)は食塩のもつ塩味を緩和して、
いわゆる塩かどをとる『塩なれ効果』の作用が、特に大きいと言われています。
経験ありませんか?
そんなにしょっぱいと感じていないのに、やたらと喉が渇いて水を飲んでしまう事。
添加物の毒を中和する為に、勝手に身体が反応してる部分もあるでしょうが、
『塩なれ効果』のせいで想像以上に、塩分を摂取してるんですよね。
そして化学調味料自体、グルタミン酸ナトリュウムと言うぐらいですから、
ナトリュウム・・・塩分を含んでるんですよね・・・二重取りですよね。
だからやたらと喉が渇く・・・・・・・・・・。ドクケシドクケシ・・・・・・。
ややこしい事をあれやこれや書きましたが、要するに化学調味料があると
誰でもなんとなく、それっぽい味付けが出来ると言う事です。
そこにプロの技はいらない・・・・。
昔、水道の蛇口からラーメンスープが出てくる、摩訶不思議なお店で
働いていた時、メニューにチャーハン(焼き飯)があったんです。
その調理の説明の時、店長が「塩だけで味を決めるのは、とても難しい。
しょっぱくなってしまったら、それは取り返しがつかない。」
「だから塩はこれぐらいで(小さじ2分の一程度)、これは(化学調味料)
これぐらい(大さじ2杯程度)で、やっといてくれる。」
と言われました。懐かしいなー。店長、元気にしてるかなー?
もちろん、その通り作ってお店では出してましたよ。
でも不思議ですよねー。その当時それが身体に悪いとか考えた事も
無かったのに、自分の賄いで焼き飯を作る時は、入れなかったもんなー。
なんとなく気持ち悪かったのかなー・・・。
なんとなくインチキしてるような感じに、思えていたのかなー。
塩と醤油だけで味を決める事に、熱中してたなー。
それは今現在に生かされているので、無駄ではなかった。ヨカッタ、ヨカッタ。
無化調とか名乗ってる良心的お店で、塩っけの強めのお店が多いのも、
お客さんから物足りないと言われて、自分の思ってる調度いい塩梅よりも、
強めの塩味で出しまってるからだと思うんです。
実際、うちの店も豊橋時代の初期の頃は、気持ち強めに設定してた
時期もありました。
けど化学調味料たっぷりのラーメンが、本来含んでる塩分量を考えると
ちょっぴり塩味を濃いくした位では、とても太刀打ちできません。
それよりもまともな味覚のお客さんに、「しょっぱい」と思われた方が
不利益を被ると、経験則でそう感じます。
苦しいでしょうけど、皆さんもがんばってください!(誰に訴えてる?)
『塩なれ効果』の作用のせいで、今回の話のオチが曖昧に
なってしまいました。
今回のこのお話の〆は、なんとなく・・ボンヤリと・・・・・(苦笑)