たまにですが、お客様から「この店のオススメは?」・・・
と、聞かれることがあります。
これはなかなかに答えにくい質問なんです。
まあでも聞きたくなる気持ちは理解できます。
何種類かのメニューがあって、その説明文もある。
しかしそれを読むのも面倒だし、その時間もない。
それなら、店のスタッフに聞くのが、手っ取り早い。
・・・という流れで先ほどの「この店の、オススメは?」
になるのではないか・・・と推測されます。
まあでも、その人の嗜好が分からないのに、なにを
おすすめすればいいのか、分からない・・・というのが
正直な気持ちです。
例えば、「ちょっと、こってりしたラーメンが苦手なんですが、
どれがオススメですか?」と、聞かれれば、
「全体的にこってりはしていませんが、のーまる、しおまるは
あっさりしていますし、まるそばは、動物系のスープは使っていません」
みたいな説明はできるのですが、ただ漠然とコレ!・・・とは、
オススメしにくいですよね。
醤油、塩、味噌、つけ麺・・・と種類を揃えているのは、
味の雰囲気、印象ができる限り重ならないように工夫してます。
だからどのタイプがストライクゾーンかは、ワタシにはわかりません。
だから「オススメは無いです」・・・と、お答えしています。
「いろんな味の種類がございますので、お好みでお選びください。」
・・・としか、言いようがないんですね。
そうすると「すべてがオススメだよね!」みたいに言われるのですが、
「あったりめいだ!オレが作ったものはすべてがオススメで完璧だ!」
だなんて、江戸っ子のお寿司屋さんみたいに、思っていません。
「どれかがツボにはまってくれたら・・・。」と、願っている
だけです。ただでさえ大衆向きではないお味でやっているのに、
さらなる不理解を得ても、なんの特にもなりませんから・・・。
どれが気に入るかは、やはりその本人しかわからない・・・と、
思うのです。
たとえそれが山勘、第六感でもでも、その選択はご本人が行うのが
正解だと思います。
なぜなら、人に勧められたものが口に合わなければ、
せっかく時間とお金をかけたのに、がっかり感が宙に浮いてしまい
ませんか?
「くっそー・・・あいつのオススメのせいで・・・クソー。」
と言う状態よりも、「あー・・・外してしまった・・・仕方ない。」
の方が、諦めが付きませんか?・・・・自身の選択なんですから。
たとえば、その日に水揚げされた魚など扱っているお店なら、
「大将、今日のおすすめは?」
「へい!今日は、いいサンマが手に入ったから、オススメだよ!」
みたいなやり取りが成立するので、オススメは聞くべきだと思います。
しかし、同じメニューでやっているお店に、その日のオススメを聞かれても
・・・・と、思っていたのですが、これは聞いた話。
東京のとある超有名点が、「今日のオススメは?」と聞かれたら、
「今日は塩のスープの出来が良いので、オススメです。」と
テレビで答えていたと、聞きました。
さすが超有名店!・・・長久手の無名のお店とは大違いですね!
爪の垢煎じて飲ませていただかないと・・・というお話でした。