長久手のお店をオープンする前に、こんな体験をしました。
とある大手チェーンの定食屋さんで、食事をした時のお話・・・。
いつもお客さんがたくさん入ってるので、興味がありました。
家族で外食する機会があったので、試しに入ってみました。
色んなお惣菜があったので、数点チョイスしてテーブルについて、
皆で「いただきまーす。」・・・・・・・・・・・
・・・・味は想像してた通り、「しょっぱくて、甘くて、化調たっぷり。」
しかしその中の一品、物は忘れましたが・・・メッチャしょっぱい!!!
これは明らかに、塩入れすぎ!!!
味付けを間違えたとしか、考えられない。
「この一皿でごはん3杯ぐらい、いけてしまうな~。」
とか言いながら、家族で水を飲み飲み、「あ~!失敗したな~!」
と、顔をしかめっ面しながら、食べてました。
ふと、気になって顔を上げて周りを、見回してみると・・・・
・・・店内は満席。
皆、何事もなかったかのように、普通に食事を・・・
・・・普通に美味しそうに・・・何か不満があるでもなく・・・
・・・普通に、この味付けで、お金を払って・・・不満がないんだ!!!
ちょっと待てよ!
この塩っけや、しょっぱ甘い味付けや、たっぷりの化学調味料が
一般的に受け入られるのならば・・・
これからやろうとしてる事に(まんまる堂の事ですな)、勝算は
あるのだろうか・・・???
とても@とても@とても@とても@不安になったのを、思い出します。
このような味付けが一般的な中、うちの様なマニアックな味付けの
お店が、(ギリギリやっていけるか、いけないかレベルですが・・・)
なんとかやっていけてるのは、本当に奇跡だなー・・・と、いつも@
いつも@いつも@いつも@不思議な感覚に陥ります。(感謝@感謝)
いったん、味覚の「塩味・甘味・」の「普通」の基準ラインが濃い味に
上がってしまうと、味覚の上限も上がってしまいます。
すなわち、それに応じて味覚の下限も、上がってしまうと言う事です。
味覚の領域が、そっくり上に引っ張られるんですよね。
要するに、下限までもが上がってしまう事によって、微妙な味わい・・・
和食で言う『滋味』ですな・・・。
最初に来る強い味ではなく、食べ進んで行く内に感じる
奥深い微妙な味わい、と言うものが感じられなくなる・・・。
これが問題なんですなー。
特に子供のうちから、こんな強い味付けに慣れてしまうと、
色々な問題が発生してきます。(この話題はまた別の機会に・・・)
味覚には本能的に備わった、先天的な味覚と、色んな味覚体験
をする事によって備わる、後天的な味覚があるそうです。
強い味付けの物ばかり食べていると、味覚の下限まで上がってしまうので
後天的な味覚が育たない・・・。
要するに日本人なのに『滋味』が感じ取れない・・・。
これは寂しいですよね。
せっかく、この四季折々の風情があり、食材あり・・・。
この自然豊かな日本国に生まれて、滋味が分からないなんて・・・。
ただしこれはワタクシみたいな凡人の考えで。
確かに存在するんですよね、『神の味覚』をもった人。
とくにラーメンで考えると解りやすいと、思うんです。
たとえば今流行の、まぜそばとか濃厚ナントカとか、かなり味の濃い
ラーメンと、うちの様なヘナチョコ系のラーメンと・・・。
これだけ大きな味覚領域の差があっても、それを両方とも同じ
味覚の土俵に乗っけて、「おいしい」とか「おいしくない」とか
比べる事が出来るなんて、これは特別な『神の味覚』を、備えてないと
絶対無理!!!
ワタクシなんて凡人なんで、あっちの味覚領域の食べ物は
とてもとても、同じ土俵で味わえないもんなー。残念です。
ソンナ・カミノミカクヲ・モッタヒトヲ・ソンケイシマス。
いや、終わらないなー。
続きは、次回に・・・・・。