長久手町にある無添加ラーメン屋さんの日記
2017-01-24 00:35
この飲食業界の片隅の・・・②
とまぁ、この映画の素晴らしさを語るとキリがないですね。
いい作品を作るための労力を惜しまずに尽力しているのが、
伝わってきて、それが感動に変換される・・・のでしょう。
こうの史代さんの原作がまず素晴らしいと言うのがあります。
なにせ、第十三回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を
受賞している漫画です。
この漫画自体も、デジタルでなく手書きで書かれています。
その中で手書きでしかできない、かなり実験的な表現法も試みています。
ただ戦時中を書いた手書きの漫画ではないのです。
その原作に片淵監督は色彩と動きを加えることによって、
「その世界」がよりリアルに感じられるように、情熱を注いだのでしょう。
そこに説教臭いメッセージを入れないで、「ただこの世界の片隅」に居る
すずさんの視点から見える世界だけで、何かを伝えようとしている・・・。
その何か・・・サムシングエルスですね・・・それは観た人それぞれに
託す・・・みたいな感じが更にいいですね。
いやいやいや・・・・キリがないナイナイ・・・ので・・・。
ホント、この飲食業界のほんの片隅で、なんとかお店を維持するのに
精一杯のワタシから見て、本当にこの作品が多くの人に支持されているのが
嬉しくてなりません。
精一杯、誠心誠意込めてやり続ければ、いつか多くの人たちに
支持してもらえるかもしれない・・・と言う希望が・・・。
もちろん!・・・この素晴らしい仕事と自分の仕事をシンクロさせるには、
かなり無理がありますし、そこまでの勘違いはしていません。
でも、なにか物足りない、インパクトに欠けるなどと言われ続け
ることにすっかり慣れてしまったワタシですが、少しでも安心できる
食材で作るらーめん・・・という需要の少ない飲食業界の片隅で、
このスタイルを推し進めていく勇気・・・をいただけたな・・・と。
簡単に一般受けする魔法の調味料など使わないで、小さな味の積み重ねで
滋味深く、味の奥行きの深い物で勝負してやるんだ!・・・とね。
それを理解してもらうためには、お店を維持し続けることだな・・・と。
「この世界の片隅に」はクラウドファンディングで一般から資金を
集め、そこで資金が集まったからスポンサーが付いたのです。
一般の人がなぜクラウドファンディングに1万円もの見返りのない
投資をしたかというと、片淵監督の前作「マイマイ新子と千年の魔法」
という映画を観て監督のファンになった人たちが、また片淵監督が
作る新しい映画を見たい!・・・から資金を投資したのです。
もちろんその前からの監督ファンの人たちも、同様でしょう。
要するにいい仕事を諦めずに、やり続けた結果が今回の大ヒットに
なったんだと、思います・・・ただ偶然ヒットした訳ではないのです。
監督の多くのインタビューを見聞きしても、いつも謙虚で肩肘張った
ところもなく、自慢もなく、ただ「この映画ですずさんに会いに来てください」
と、謙虚に語る監督の姿に、ただただ感服してしまいます。
この映画、原作漫画から貰った感動と勇気をエネルギーとして、
ワタシも「この飲食業界の片隅」から転げ落ちないように
頑張ろうと・・・決意を新たにしたのでありました~。
(C) まんまる堂 無添加自家製ラーメン 愛知県長久手市