今回は化学調味料(モドキも含む)を、使うor使わないの違いを
作り手の立場から、お伝えしたいと思います。
以前にも書きましたが昔、水道の蛇口からラーメンスープが出てくる、
摩訶不思議なお店で、働いていた事があります。
どのようにしてスープを作っていたかと言うと、寸胴(口径45cm)に
豚の頭一個と、モミジ(鶏の足)をチョピリ入れて炊きます。
それを沸騰させてしばらく焚き、軽く白濁したら出来上がり。
スープが少なくなってくると、水道水を足して補充。それをまた沸騰。
スープの味は、「限りなくお湯」に近い、まずい「お湯」。
そのスープは3日間、同じ骨を入れっぱなしで常温保存(夏場も)。
決して枯れる事の無い魔法のスープは、一回の手軽な仕込みで
3日間連続何杯でも、湧き出てきます。
もちろん、こんなもんでは、売り物になりまへん!
こんなしょーもないスープを、売り物に変えてしまう魔法の「業務用のタレ」。
通称「業ダレ」・・・・・。まあ、短くしなくてもいいのですが・・・。
そのお店は当時はやりの、「ライト豚骨」テイストがうりのお店。
なんとそのタレの色は「白色」・・・・。練乳みたいな「白色」。
その当時は疑問にも思わなかったのですが、「白色」になる調味料って・・・。
牛乳?豆乳?白練りゴマ?いやいや本当に練乳?・・・
無いんですって。そんな練乳色になる調味料なんて。
そんな不思議なものを見たら、疑問に思えよ!←過去の自分に言ってます。
でもそれをお湯もどきに入れると、アラ不思議!
なんと「豚骨ラーメン」になるでは、あーりませんか。真っ白「白濁」スープ。
そんな奇妙な出来事をみたら、疑問に思えよ!←過去の自分に言ってます。
そのタレは、どっかの「業ダレ」とどっかの「業ダレ」のブレンド。
店長に「よくかき混ぜてから、どんぶりに入れるように。」
と、念を押されてったっけ・・・。懐かしいなー。
店長、元気にしてるかなー?
ま、そのお店はもちろん潰れてしまいましたが・・・。
一昔前のお話なのです。
さすがに今のご時勢、ここまで酷い所は少数でしょうけど・・・。
このように適当に作っても「業ダレ」さえあれば、インスタントラーメンに「毛」が
生えたような、プロ仕様の「ラーメン」が簡単に出来てしまう。
つまり、自分の店のスープの濃度や、出来具合にさほど神経質にならなくても、
最後は、「コイツ」さえ入れてしまえば、完成。
「業ダレ」を使ってない所でも、化学調味料(モドキも含む)を使っていれば、
最後の最後の味決めの精度は、ボンヤリした感じでOKになってしまうんです。
本当はそこが一番難しいのですが・・・。
その話はまた次回です。